自己紹介

商業高校に入学するまで

私が商業高校に入学した理由は、公認会計士試験・税理士試験を目指すため早く簿記を学びたい・より良い地元企業に就職したいなどの明確な目標があったからではありません。

中学時代の私は、勉強も疎かで、スポーツや芸術などの課外活動に熱心に打ち込んでいたわけでもない、単なる怠惰な生徒でした。

唯一没頭できたのは中国由来のマイナーなネットゲームで、学校が終わるとすぐに自宅に帰って、夜までひたすらゲームをするという、非生産的な毎日を過ごしていました。

こういう生活を送っていたものですから、当然のように成績は下から数える方が早く、「行ける高校があるのか」と周りの大人から本気で心配されるほどでした。

当時は今ほど少子化は進んでおらず、偏差値の高くない高校でも、多少の倍率はありました。

中学3年生になり、私は現実を直視することになります。

周りの大人が心配していた通りで、私に行ける高校は片手で数えるほどしかなく、私立の普通科の高校・工業高校・商業高校しか私に選択肢はありませんでした。

金銭的な事情から、普通科の私立高校は両親の許可を得ることができず、残ったのは、工業高校か商業高校の2択でした。

工業高校の教育内容を詳しく理解していたわけではありませんが、手先が不器用だったことから自分が機械や細かな部品を触る姿を想像できず、工業高校は選択肢から外しました。

結果として残ったのが、商業高校でした。

つまり、冒頭のような高い意識や明確な理由があったわけではなく、自分の学力から進学できる地元の高校が商業高校しかなかったという、消極的な理由から商業高校を第一志望に据えました。

私の志望した商業高校には2つの学科があり、現実的に私が選択できたのは、偏差値の低い方の学科でした。偏差値の高い方の学科は、学校からも塾からも、「厳しい」と言われました。

受験のときの記憶はもう曖昧ですが、5教科の筆記試験と面接があり、筆記試験の感触はあまり良くありませんでした。数学は大問の最初の方にある易しい問題のみを、どうにか解いたということくらいしか覚えていません。

そのような感触でしたが、倍率がそれほど高くなかったことから、結果は合格でした。

当時はインターネットでの発表がなく、掲示される受験番号を現地まで確認しに行ったことは、今でも記憶にあります。

何はともあれ、怠惰な生活を送った中学時代でしたが、どうにか高校生になることができました。

このように、消去法で選んだ商業高校ですが、この選択が意外にも私の人生に大きな影響を与えることになりました。

人生を変えた商業高校での学び

どうにか商業高校に入学することができた私ですが、商業高校が何を目的とした学校なのか・普通科の高校と何が違うのかなど、商業高校の教育内容を十分に理解していませんでした。

これは今でも覚えていますが、勉強よりも、髪型や服装など生活面での指導が徹底して行われていました。私は服装や髪型について特段のこだわりがなかったため、疑問を持ちながらも、校則や指導を受け入れていました。

生活面での指導が徹底されていたのは、私の通っていた商業高校では、卒業生の多くが就職を選ぶため、社会に出るための準備という観点もその理由に含まれていたのではないかと思います。

肝心の学習面ですが、これは意外にも中学よりも易しくなっているという印象を受けました。

例えば、入学してから最初に受けた数学のテストは、中学の復習や数学Ⅰの基本的な問題のみで構成されており、私でも高得点を取ることができました。詳しい内容はほとんど覚えていませんが、中学の内容も、易しい計算問題が中心だったと思います。

高校になると偏差値で区分されるため、私の通っていた商業高校に集まる生徒の学力に合わせてテストが作られていたのだと思います。

数学だけでなく、しっかりと準備をすれば、どの教科も高得点を取れるようになっていたと思います。

中学時代は、唯一「社会」で平均点を取れるくらいで、他の教科はどれも平均点を下回っていました。そのような状況でしたから、学校のテストで80点・90点などの高得点を取ることができた事実には、大変驚きました。私にとっては、小学校のテスト以来の経験でした。

5教科以外の、「簿記」「情報処理」などの専門教科の勉強が徐々に始まったころ、私はここが商業高校であることを意識するようになり、商業高校とはどのような場所なのか・普通科の高校とは何が違うのかが、徐々に理解できるようになりました。

「簿記」「情報処理」「ビジネス基礎」「ワープロ」などの勉強は、これまた意外にも面白く、中学で感じていた勉強に対する嫌悪感・苦手意識はありませんでした。

中学時代からネットゲームに没頭していた私は、タッチタイピングも自然と身につけていたため、情報処理・ワープロなど、パソコンを使う授業にはすぐに適応することができました。

当時はまだスマホも普及しておらず、今のように一家に一台・一人一台、当たり前のようにパソコンを持っている時代ではなかったため、パソコンを使う授業になかなか適応できない人もいました。

また、ビジネス基礎に関しても、理由はわかりませんが「社会」の「公民」の分野だけはなぜか自主的に勉強していたため、関心を持つことができました。

簿記については、最初は仕組みがわからず苦戦したものの、徐々に仕訳のやり方を覚え、専門教科の中では最も好きな教科と言えるまでになりました。

商業高校に入学してから、5教科の成績も平均点以上、教科によっては上位、検定試験も順調に合格など、信じられない体験の連続でした。

中学時代に怠惰な生活を送っており、勉強というものに真面目に向き合ってこなかった私ですが、このように、商業高校での学びには意外にも適応することができました。

中学の頃はとにかく怠惰で勉強だけでなく、あらゆる方面に無気力だった私ですが、商業高校に入学して、自信活力を取り戻しました。

ネットゲームばかりしていた廃人から、人間へと戻り、目に光が宿った瞬間でした。

商業高校に入って、自信と活力を取り戻した私は、人が変わったように勉強に取り組むようになり、学ぶことそれ自体が面白いとさえ感じるようになりました。

高校2年生になり、就職・進学のための合同説明会のようなイベントに何度か参加するうちに、卒業後の進路を徐々に考えるようになりました。

当時の私になり色々と考えた結果、違法な労働を強いる会社(今でいう「ブラック企業」)への憤りから、法律への関心が芽生え、法律をより深く学びたいと思いました。

商業高校に入学した頃には考えもしなかったことですが、高校2年生の冬ごろから、徐々に大学を意識するようになりました。

しかし、現実は思ったよりも厳しいものがありました。

私は商業高校生としては勉強に真剣に取り組んでいたつもりでしたが、それでも、商業高校から大学に進学することはそれほど容易なことではない事実に気づきはじめます。

その気づきが確信に変わったのは、高校3年生の4月ごろで、私の通っていた商業高校のカリキュラムからでは大学の一般入試に備えることは、現実的ではなく、ほぼ不可能であることを確信しました。

しかし、何も一般入試が全てというわけではありません。

幸いなことに、商業高校からであっても大学に進学する道はしっかりと用意されており、私は情報収集をすることには長けていたため、その道の存在に気づくことができました。

専門学科(商業・工業・農業など、専門教科を学ぶ学科)のための推薦入試があるらしい」

大学入試の仕組みを毎日調べているとそのような入試の存在に気づきました。タイトルは覚えていませんが、色々な大学が紹介されている辞典のように厚い本があり、それを毎日眺めており、気になった大学をインターネットで調べるということをひたすら繰り返していました。

正直、「これだ!」と思いましたし、一般入試という道が断たれた以上、「これしかない!」と思いました。

出願に必要なのは、評定平均検定試験志望理由書、試験は「小論文」と「面接」であることがわかりました。

今にして思えば甘い考えですが、出願に必要な要件は揃う見込みがあったことから、「これなら行けるかもしれない」と希望を抱きました。

私の第一志望は「京都産業大学」、第二志望は「近畿大学」でした。

欲を言えば、「関西大学」にも出願したかったのですが、残念ながら英語の要件を満たすことができず断念しました。英語を勉強してこなかったことを、強く後悔した瞬間でした。

小論文の準備は想像よりもはるかに大変で、何を書くべきかがわからず、最初は1行すらも書けませんでした。

流石にこれではまずいと思い、市販の教材を購入し、商業高校の先生の助言も受けながら、どうにか入試本番までには答案を作成できる力を身につけることができました。

これも偶然ですが、中学から社会の公民だけはなぜか自主的に学んでおり、高校の「現代社会」も成績は上位だったため、社会科学系の小論文で出題されるテーマは、私にとっては書きやすいものが多かったです。

面接については、就職を希望する生徒が多かったため、学校としても面接対策に力を入れていました。私は進学希望でしたが、就職希望の人たちに混ざって、何度も面接の練習を受け、フィードバックを受けることができました。

普通科の高校の事情はわかりませんが、面接の対策ということなら、商業高校はかなり充実していました。

このように、小論文・面接ともに、充実したサポートを受けることができたこともあり、受験した全ての大学に合格することができました。

受験を決めるまでは、学校や担任からは「指定校推薦」を勧められており、「全落ちのリスク」も示唆されていたため、この結果には周りの大人たちも大変驚いていました。

もちろん、私自身も「これは現実なのか」という感覚で、全身の血液の流れを鮮明に感じるほどの驚きと喜びがありました。

最終的には、私は「京都産業大学」への進学を決めました。

後から振り返っても、当時の私にできる最高の選択をしたと言い切れる自信があります。

このように、中学時代の私からは想像もできないような進路を実現することができたのは、商業高校での学びがあったからだと考えています。

もし少し背伸びをして、普通科の高校に行っていれば、私は自信と活力を取り戻すことができず、今でも部屋にこもってネットゲームをしていたかもしれません。

商業高校での学びが、私に自信活力を取り戻す機会を与え、ひいては、自分の人生をより良いものにしようとする前向きな姿勢を持つことができる私につながりました。

その意味で、消極的な選択の結果でしたが、商業高校への進学は、私の人格形成人生の転機となった言えます。

商業高校で身につけた学習習慣は、大学に入学してからも役立ちました。

商業高校では、学校の定期テストの準備と検定試験の準備を同時並行的に進めることが求められるため、スケジュールを確認して、計画的に勉強を進める必要があります。

そこで身につけた学習習慣により、私は大学から成績優秀者に選ばれ、報奨金をいただくこともできました。

大学では、特に1回生・2回生は講義が多く、計画的な勉強が不可欠となります。

そのような環境に上手く適応できたのは、商業高校で身につけた学習習慣があったからだと思います。

大学入学以降の人生は、もし機会があれば語りますが、紆余曲折あり、教育学を体系的に学びたいと思うようになり、京都産業大学を卒業してからしばらくした後に、京都大学に学士入学(大学卒業者が3年次編入学できる制度)しました。

正直なところ、京大で学ぶ機会を得られたのは、卒業した今でも信じられません。

商業高校を卒業後、紆余曲折を経て、京都大学を卒業。【学位記】(写真の日付は撮影日)

このような奇跡のような機会が得られたのも、商業高校での学びが私に「変わるきっかけ」を与えてくれたからだと思っています。

きっかけさえあれば、人は変われると思います。

今もし自分が人生のどん底にいると感じる人でも、その人にフィットするきっかけさえあれば、人は変われると思います。

そのきっかけは、私にとっては「商業高校での学び」であって、それを偶然得ることができたのは本当に運が良かったです。

当塾を始めたきっかけ

私が当塾を始めたきっかけは、私がかつて商業高校の生徒だったとき、商業高校と中学時代の友人の通っていた普通科の高校との間に、大学進学という点で大きな格差があることを痛感したことにあります。

私の通っていた商業高校で、先生の一人が、当時、次のようなことを言っていました。

一言一句、正確に内容を記憶しているわけではありませんが、要するに、普通科の進学校と商業高校では、「勉強」という観点では大きな差があるという趣旨の内容でした。

実際、その普通科の進学校に通う友人に、使っている教科書や問題集を確認したところ、確かに教科書の厚さや問題集の量が、明らかに違っていました。共通していたのは、「保健体育」のワークのような教材だけでした。

数倍というのがどの程度かはわかりませんが、少なくとも、5教科の学習量という点では、普通科の進学校と商業高校では、大きな差があることをそこで実感しました。

私は商業高校の中では、真剣に勉強に向き合ってきましたが、それでも当時のセンター試験で課される5教科7科目・2次試験に対応できる学力はありませんでした。せいぜい、まともに得点できたのは、現代社会くらいだと思います。

私大の3教科入試・2教科入試であっても、学力の課される入試に間に合うだけの準備をすることは、当時の私には難しかったと思います。

商業高校は「簿記」「情報処理」のような専門教科を、多くの時間をかけて学ぶカリキュラムになっているため、その中で、大学の一般入試に対応できる準備をすることは容易なことではありません。

5教科の授業で学んでいた内容も、数学であれば、教科書の例題をはじめとした基本的な内容が中心で、残念ですが、センター試験の数学にはとてもではありませんが対応できませんでした。

そもそも、「世界史B」「日本史B」など履修すらしていない科目もありました。

これは、商業高校が就職・進学(大学・短大・専門学校など)など、多様な進路を想定しており、普通科の進学校のように大半が大学に進むような学校ではないことに起因します。

つまり、どちらが良い・どちらが悪いという次元の話ではなく、そもそも「ゴール」が異なるということです。

商業高校には商業高校のゴールがあり、普通科の進学校には普通科の進学校のゴールがあり、それに合わせた教育を行っている。ただそれだけの話です。

しかし、そうは言っても、商業高校から大学に進みたいと思ったとき、かつての私のように壁に直面する人は今でも少なくないと思います。

実際、商業高校からの大学受験は、普通科の高校から大学受験する場合と比べて、明らかに情報が少ないのが現状です。

例えば、商業高校からの大学受験では、一般入試というのはむしろ少数で、商業のような専門学科を対象にした入試・指定校推薦などで大学に進学する人が多いです。商業高校に通っていた私ですら気づかなかったのですが、全商推薦という商業高校の生徒だから使える制度もあります。

このような基本的な情報ですら、あまり知られていないのが現状ではないかと思っています。

私は、2022年からYouTubeで「商業高校からの大学受験」をテーマとした発信を続けてきました。(当時は「進学塾おはぎ」という名前で、今の前身となるサービスも行っていました。)

入試に向けて何を準備すべきか・どの入試を選択すべきかなど、普通科の進学校とは異なる、商業高校からの大学受験で抑えるべきポイントが、あまり言語化されていないように思えたため、上記のテーマで発信を行ってきました。

このような商業高校のカリキュラムで学んだ人たちがより良い大学に進学するための教育サービスが必要ではないかと思い、「Tuition Centre おはぎ」という名前で、改めて、商業高校からの大学進学をサポートするための学習塾を始めるに至りました。

当塾の何よりの強みは、創設者である私が商業高校の出身者であり、商業高校のカリキュラムを実体験として理解しているということです。

また、各大学の行っている入試のうち、商業高校の生徒が受験しやすい入試やそのために必要な準備を理解しています。

これは商業高校の実情を知る、商業高校の出身者だからこそできるサービスだと考えています。

YouTubeをご覧いただければご理解いただけると思いますが、商業高校の強みを活かすことで、場合によっては、普通科の進学校の生徒よりも有利に大学進学を実現することができます。

商業高校からであっても、自分の本当に進みたい大学に進むことができる

私はそのサポートがしたいと思い、当塾をはじめました。

当塾へのお問い合わせは、お問い合わせフォームまたはLINEより、24時間、受け付けております。また、個別の学習相談・受講相談も受け付けております。